「順位を優先」「予約を代行」ワクチン接種で詐欺横行

 高齢者への接種が本格化する新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり「優先順位を上げる」と嘘の優遇を持ちかけるなどし、金銭を要求する詐欺とみられる電話が全国で相次いでいる。高齢者が「苦戦」するインターネット予約の代行を持ちかけるなど、コロナ情勢に即した変遷もみられるという。さらに、個人情報を引き出すだけの手口なども出現。警察当局や国民生活センターは「怪しい電話には絶対に応じないでほしい」などと注意を呼び掛けている。(宮野佳幸、吉沢智美)

接種優先順位上げる…

 「新型コロナワクチン接種の予約がなかなか取れないので、予約を代行しますよ」。近畿地方の40代の男性の自宅に、1人の男が訪ねてきた。「市役所から来ました」。そう畳みかける男に、少し不審に思った男性が所属や名前を尋ねたところ、男は明確には答えず、逃げるように立ち去ったという。

 国民生活センターによると、2月に医療従事者への先行接種が始まると、こうした詐欺が疑われるような事案の相談が寄せられるようになったという。

 特に高齢者への接種が開始された4月以降は急増している。詐欺が疑われる相談はこれまで103件(17日現在)。また、専用電話に寄せられた相談だけでも47件(19日現在)に達しているといい、このうち4月以降は37件を占める。担当者は「ワクチン接種の優先順位を上げるといったものが目立つ」と話す。

予約代行が出現…

 コロナ情勢の変化に伴い手口の変遷もみられる。

 多くの高齢者がネット予約に苦戦している実態が浮かびあがると、予約代行を持ちかける事案も出てきている。

 北九州市立消費生活センターによると、《成功報酬1千円で予約代行を請け負う》などとするチラシがポストに入っていたとする相談が、これまでに2件寄せられているという。ネットに不慣れな高齢者らを狙っている可能性もあるとみられる。

 自治体職員をかたり、予約代行をちらつかせる詐欺も懸念されるが、静岡県三島市など職員らがネット予約をサポートする自治体もあり、詐欺グループとの「線引き」が難しい状況もみられる。

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