日米仏、九州で初の離島防衛訓練 欧州も参戦で“対中抑止強化”

 陸上自衛隊と米海兵隊、フランス陸軍は11~17日の日程で、九州で共同訓練を実施。3カ国の陸上部隊が、日本国内で本格的な実動訓練を行うのは初めて。コロナ禍でも、軍事的覇権拡大を進める中国を念頭に、日米は欧州も巻き込んだ対中包囲網を敷き、インド太平洋地域の平和と安全を守り抜く構えだ。

 共同訓練には、陸自から「日本版海兵隊」と言われる離島防衛専門部隊「水陸機動団」を中心に約100人、米仏からはそれぞれ約60人の計約220人が参加する。

 九州西方の海域には、日仏の艦艇が展開し、陸自の輸送機オスプレイなどで、宮崎県えびの市と鹿児島県湧水町にまたがる霧島演習場に部隊を送り込む「ヘリボン」作戦を行う。3カ国の連携強化が目玉だ。

 霧島演習場では、テレビ局や銀行などに見立てた建物がある市街地を模した施設(南北約270メートル、東西約180メートル)を活用し、建物への突入から敵の制圧までの具体的な手順も確認する。

 今回の共同訓練に参加するため、フランス海軍の強襲揚陸艦「トネール」と、フリゲート艦「シュルクーフ」が9日、長崎県・佐世保に寄港した。

 日米は沖縄県・尖閣諸島や台湾情勢をめぐり中国への牽制(けんせい)姿勢を強めている。欧州各国も中国へ警戒を強めており、今後、日本周辺へ部隊派遣が相次ぐ見通しだ

 英国は最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群を派遣し、オランダ海軍のフリゲート艦も同行する。ドイツもフリゲート艦の派遣を表明している。

 こうした動きをどう見るか。

 軍事ジャーナリストで評論家の潮匡人氏は「フランスは太平洋地域に、ニューカレドニアなどの領土を持つ。こうした島々への実効支配が、尖閣諸島のように中国の威圧的な行動で危うくなり、広大な排他的経済水域を失うことを警戒している。今後は日本周辺で、日米と、欧州各国の共同訓練が常態化する可能性がある。対中抑止力は確実に高まるだろう」と語っている。

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